【札幌市の屋根専門業者】株式会社マツモトルーフ代表の松本です。筆者のプロフィール・会社概要はこちらをご覧ください。
セキスイハイムに増築した住宅で、もともとの建物と増築部分のつなぎ目から雨漏りする。今回は、こうしたお悩みに対応した札幌市北区F様邸の施工事例です。セキスイハイムの既存側は鉄骨造、増築部分は木造で、それぞれの屋根をつなぐ部分に傷みが見つかりました。
今回の工事の中心は、増築部分の板金屋根をシート防水に変え、セキスイハイム側の屋根と防水を一体につなぐことです。つなぎ目のコーキングが破れた箇所への対応に加え、防水シートの亀裂や冬の排水設備も、現場の状態に合わせて見直しました。


2026年5月、増築部分の板金屋根をシート防水へ変更し、既存屋根側の防水と一体につなぐ完全防水を施工しました。排水路ヒーターも交換し、お客様自身がLEDで状態を確認しやすいようにしています。工事前の不具合から、見えなくなる下地、完成後の姿まで順にご紹介します。
工事前|セキスイハイムと増築部分のつなぎ目から雨漏り
写真でわかる、この工事の理由
つなぎ目に、何が起きていた?
写真の番号を押すと、確認した状態と直し方が分かります。
工事前1 / つなぎ目
屋根と屋根の境目に、コーキングの破断。
増築した板金屋根と、もとの防水屋根。そのつなぎ目でコーキングが切れ、雨漏りしていました。
増築側もシート防水に変え、既存側と防水を一体につなぎ直しました。
2 / 木造の増築側
板金屋根を、シート防水へ。
茶色い屋根は木造の増築部分です。このお宅では、既存側との境目の防水も含めて見直しました。
屋根の面だけでなく、ふちの立ち上がりまでシート防水で仕上げています。
3 / セキスイハイムの既存側
鉄骨造と木造。それぞれの動きも考える。
既存側は鉄骨造、増築側は木造。つなぎ目では、構造や材料による動きの違いも考慮します。
板金とシート防水を組み合わせ、材質や高さの変わる境目まで防水を納めました。
この工事のポイント:屋根の面から、材質の変わるつなぎ目まで防水をつなぐ。
セキスイハイムの鉄骨造と、木造の増築部分をどうつなぐか
F様邸は、セキスイハイムの既存側が鉄骨造、増築部分が木造です。構造や材料が異なるため、揺れや伸び縮みのしかたが同じとは限りません。つなぎ目の防水を考えるときは、水の流れに加え、それぞれの建物や部材の動きも考慮する必要があります。
今回、現場で確認したのは、つなぎ目のコーキングの破断と雨漏りでした。当社は、この部分の補修を考えるうえで、鉄骨造と木造が接する場所であることも重要な条件として捉えています。表面の隙間だけを見るのではなく、増築部分の板金屋根も含めて、防水のつくりを見直しました。
コーキングに頼っていた、増築部分との境目

茶色い板金の屋根が木造の増築部分、その手前がセキスイハイム側の防水屋根です。材質と高さが変わるつなぎ目の処理が十分でなく、コーキングに頼った部分から雨漏りしていました。

近くで見ると、コーキングが破れ、隙間ができていました。今回の工事では、この隙間へコーキングを足すだけで終わらせず、増築部分の屋根もシート防水に変え、既存屋根側と一体化する方法を選びました。板金の形を整える仕事と、防水をつなぐ仕事の両方が必要な部分です。
防水シートの平面や角にも、亀裂が発生

平らな屋根面にも、防水シートの亀裂が見つかりました。小さな傷みでも、防水を担うシートが切れている箇所は確認が必要です。

屋根のふちが立ち上がる部分にも亀裂がありました。屋根面だけでなく、折れ曲がる部分や外周まで確認しています。

こちらの角の破れは、風除室の雨漏りの主な原因と判断した箇所です。平面と角で見つかった傷みを、それぞれ今回の施工範囲に含めました。
以前に張り替えた平面と、古いままの外周

3階の屋根は約10年前に平面の防水シートを張り替えていました。一方、外周には古い防水が残っていました。以前に工事した範囲と今回の傷みを照合し、屋根面からふちまで防水をつなぎ直します。

排水口まわりにも破断が見られました。水が集まる出口まで、屋根面の防水を連続させて納めます。
排水管の凍結で、屋根の裏側にも傷み

外部排水管の凍結により、軒天にも傷みが生じていました。軒天とは、屋根の裏側にある天井部分です。写真では、天井材の表面がはがれている状態が分かります。
屋根の防水だけでなく、冬に水を流すための設備も見直します。今回は排水路ヒーターを交換し、LEDで電源・作動状態を確認できるようにすることも、工事の大切なポイントです。
解説動画|工事前から完成まで
セキスイハイムに木造を増築したF様邸で、つなぎ目の雨漏りをどのように直したかを紹介します。既存側と増築側の違い、防水を一体につなぐ施工、ヒーターの確認方法を、実写真とナレーションでご覧ください。
工事の流れ|増築部分から屋根全体へ
増築部分の屋根に、断熱材と固定部材を施工

増築部分の板金屋根に断熱材を敷き、防水シートを固定するためのディスクを取り付けています。ディスクは、仕上がるとシートの下に隠れる固定部材です。

端の板金も調整します。屋根面の上にシートを敷くだけでなく、ふちまで防水を納められるように、既存の部材を整えていきます。

断熱材と固定部材を施工した状態です。屋根面と周囲の形を整え、新しい防水シートを施工する下地をつくりました。
屋根面と、ふちの立ち上がりにシートを施工

増築部分の屋根面に、塩ビ防水シートを敷いています。もともとの板金屋根を、防水シートで覆うつくりへ変えていきます。

周囲の立ち上がりも防水施工します。立ち上がりは、屋根のふちが上へ折れ上がった部分です。増築部分の屋根面からふち、既存屋根側へと防水を一体につなぎ、つなぎ目まで完全防水にすることが、今回の工事の要点です。
外周の内側を処理し、防水用の鋼板を取り付ける

外周部材の内側にコーキングを施しています。完成すると隠れる接合部分にも、必要な処理を行います。コーキングは納まりを支える内側の処理として使い、その上で金属部材とシートを組み合わせて防水をつなぎます。

自社工場で特注製作済みの塩ビ積層鋼板を取り付けます。これは、表面に塩ビの層を持ち、防水シートを接合できる金属部材です。屋根のふちでシートを納めるために使用します。
部材の自社製作や下地に合わせた固定など、マツモトルーフがセキスイハイムの屋根防水に対応できる理由は、実際の加工写真とともに別記事で詳しくご紹介しています。
3階屋根のシートを支える固定作業

こちらは固定に使った2液性エポキシ樹脂とアンカープラグです。シートの下の固定部は、屋根下地のALC(軽量気泡コンクリート)に合わせて施工します。

3階の屋根に、ディスク盤を留め付けているところです。防水シートを敷く前に、シートを支える部材を取り付けます。

固定部分へエポキシ樹脂を注入しています。

アンカープラグを設置しているところです。固定の方法と、仕上がり後に見えなくなる作業の内容も写真で残しています。

3階の屋根に断熱材と固定用ディスクを施工した状態です。この上を防水シートで覆います。
繊維入りの塩ビ防水シートを敷く

使用したのは、サンタックIBの「HWC-15」。高耐久のガラス繊維入り塩ビ防水シートです。

シートを順に敷き、屋根の広い面を覆っていきます。シート同士の接合部、外周、排水口も含めて防水を仕上げます。
排水口・外周まで防水をつなぎ、シートを固定

排水口には防水シートと同質の塩ビ製ドレンを使用します。屋根面の防水を、水の出口までコーキングに頼らずに納めます。

外周では、塩ビ積層鋼板と防水シートを熱で溶着しています。以前の工事で残っていた外周部分も含め、今回の防水をつなげます。

専用のIH加熱機を使い、シートと、その下に取り付けたディスク盤を固定します。表面からは見えない固定部材が、ここでシートを支える役割を持ちます。
下の屋根も、保護マットを外して防水

下の屋根では、保護マットを取り外して清掃しました。既存の設備や壁際との位置関係も確認しながら、工事を進めます。

3階の屋根と同様に、防水シートを施工しています。室外機の周囲や狭い部分も、屋根面の一部として納めます。
手すり・昇降用ハシゴの脚元を処理

バルコニー手すりの脚元では、受け部材を交換して防水しました。屋根面から立っている脚の周囲も、水が入り込まないように納める必要があります。

屋根に上がるためのハシゴの脚元も、受け部材を交換しています。シートだけでなく、その上に固定される部材とのつなぎ目まで処理しました。

工事に伴って扱ったBSアンテナは、復旧して受信状態を調整しました。
壁の角で見つかった腐食と、玄関屋根の水溜まり

工事中に部材を外すと、増築部分の壁と1階屋根のつなぎ目で雨漏り箇所を特定できました。内部の木材にも腐食が見られ、傷んだ部分を撤去しています。表面の防水だけでなく、壁際の防水を納め直すための下地から整えた箇所です。

玄関屋根では水溜まりが見られたため、防水部分を切り開いて下地を確認・調整しました。表面の傷みだけでなく、内側の状態を確認して進めた箇所です。

玄関屋根の下地に、断熱材と固定部材を施工しました。

続いて防水シートを施工しています。面積が小さい屋根も、屋根面・ふち・排水口をつなぐ考え方は同じです。

排水路のヒーターは、サーモスタット付きのものへ交換しました。屋根の防水と、冬の排水に関わる設備を合わせて整えます。
壁際を立ち上げ、水切りで仕上げる

壁とのつなぎ目では、一部を開いて下地を整えました。新しい防水をどこまで立ち上げ、どのように収めるかに関わる部分です。

壁際に防水シートを立ち上げています。平面から壁へ続くところまで、防水を途切れさせずに施工します。

内部のコーキングを行ったうえで、通気用水切り部材を加工し、取り付けました。水切りは、壁際の接合部分を覆って紫外線劣化を防ぎ、雨水を屋根側へ導く部材です。

排水口まわりの防水と、排水路ヒーターの交換が完了しました。
軒天の補修と、お客様自身が確認できるヒーター

2階の軒天は、ガルバリウム鋼板を貼り、コーキングで補修しました。軒天とは、屋根の張り出しを下から見上げたときの天井部分です。

ヒーターは交換するだけでなく、お客様自身がLEDで状態を確認しやすいようにしました。赤は電源、緑は作動を示します。温度に応じて作動するため、電源の表示と作動の表示を分けて確認します。工事後も使い続ける設備だからこそ、確認のしやすさまで考えた工夫です。
工事完了|ビフォーアフター
各組とも、横並びの写真は左が施工前、右が施工後です。その下の比較画像は、中央の丸いハンドルを左右に動かせます。操作が分かりにくい場合は、横並びの写真だけでも変化をご覧いただけます。
3階屋根の全景
屋根の面から、ふちの立ち上がりまで防水を施工しました。




反対方向から見た3階屋根
広い面のシートと外周の仕上がりを、反対方向から比較します。




増築部分の板金屋根
板金の屋根面と外周を、塩ビ防水シートで仕上げました。




増築部分と主な屋根の境目
増築部分と隣の屋根面、それぞれの立ち上がりの変化が分かります。




増築部分の外周
屋根面とふちの防水をつなげた状態です。外側の茶色い板金とは区別してご覧ください。




排水口とヒーター
排水口まわりを防水し、排水路ヒーターも交換しました。




壁に沿った下の屋根
防水シートを壁際まで施工し、水切り部材を取り付けました。




壁の角と排水口
入り組んだ壁際から、水の出口まで防水を納めました。




手すりのある屋根
屋根面に加え、手すりの脚元も防水しました。




玄関屋根
水溜まりが見られた屋根を開いて下地調整し、防水を仕上げました。




施工後の流し撮り動画|屋根面と外周のつながり
完成後の3階屋根と増築部分を、約1分35秒の動画でご覧ください。屋根面からふち、排水口へと続く仕上がりを、写真とは違う角度で確認できます。
セキスイハイムと増築部分の防水をつなぎ直す
セキスイハイムに木造を増築したF様邸では、増築部分の板金屋根をシート防水に見直し、セキスイハイム側の屋根と防水を一体につなぎました。板金と防水の両方を扱うことで、屋根の面だけでなく、材質や高さの変わる境目まで納めています。
雨漏りのご相談では、今の症状だけでなく、以前にどこを、どのように工事したかも大切な手がかりになります。工事の資料や当時の写真があれば、今の屋根の写真と合わせてお知らせください。実際の状態に合わせて、必要な工事を考えます。
工事後も、排水口にゴミが溜まっていないかの確認や、ヒーターの電源・作動状態の管理は必要です。ご自身で屋根に上がることが難しい場合は、無理をせずご相談ください。
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