屋根工事業者のマツモトルーフに動く屋根は作れるのか?

【札幌市の屋根専門業者】株式会社マツモトルーフ代表の松本です。
(筆者のプロフィール・会社概要はこちらから)
「雨漏りを直してほしい」「屋根を張り替えてほしい」 普段、私たちマツモトルーフには様々なお問い合わせをいただきます。
ですが、今から10年前(2016年)。 あるお客様からいただいたご相談は、少し特殊なものでした。

「自宅の屋根を開くようにして、天体観測室を作りたい」
お客様は当初、既製品の天体観測用の「スライドルーフ」の設置を検討されていたようですが、
製品は本州で製作されており、北海道特有の積雪の問題・屋根への荷重・雨漏り(すが漏れ)の問題を慎重に検討する必要がありました。
また、既製品だとサイズの規制もあり、理想を現実化するのは困難な状況でした。
普通の屋根屋さんなら、「既製品がないので無理です」とお断りする案件かもしれません。 しかし、私たちは「屋根のプロフェッショナル」です。
「世の中にないなら、私たちがゼロから作りましょう」

実際に手動で軽々と「スライドルーフ」を動かす動画をご覧ください⬇︎
てな訳で、今回は約10年前に施工した「天体観測用スライドルーフ」の製作記録を公開します。
スライドルーフの設計・鉄骨製作・板金加工・設置、屋根防水リフォーム工事まで、全てマツモトルーフが自社で行いました。
「屋根が動く」 言葉にするのは簡単ですが、雪国札幌でこれを実現するのは至難の業です。
北海道の屋根に「スライドルーフ」を設置するリスクは大きい
北海道での「スライドルーフ」の設置は、通常の屋根工事とは次元が違うリスクがあります。
- 可動部のレールが凍結しないか?
- 雨漏り対策は完璧か?
- 雪の重みでフレームが歪まないか?
これらを解決するには、板金・防水の知識だけでなく、鉄骨構造や材料の選定、北海道の気象条件など総合的な判断が必要な「屋根工事」でした。 「既製品がないなら作るしかない」。その執念で挑みました。
スライドルーフを設置するための屋根作り(開口・土台設置)
まずは既存の屋根に穴を開けるところからスタートです。
屋根の開口
既存の屋根を切り取り、天体望遠鏡が顔を出すスペースを作ります。構造に関わる部分なので、補強工事もしっかり行います。

「スライドルーフ」設置部分の既存板金屋根を解体

屋根の野地板を解体して、屋根の構造体を露出させます。

今回の工事は、無落雪屋根の心臓部とも言える「スノーダクト」を貫通するという、雨漏りリスクが非常に高い内容でした。 そのため、戸建てで一般的な「板金屋根」ではリスクを完全に払拭できないと判断し、当社の完全防水・屋根断熱リフォーム工法「エムエコルーフシステム」を採用しました。
お客様が当社にご相談くださった最大の理由も、やはり「設置後の雨漏りやすが漏れへの不安」でした。 「スライドルーフという夢」と「北国の過酷な環境への対策」。この両立という難題を解決できる、独自の防水ノウハウを持つマツモトルーフに任せていただきました。
スライドルーフの土台設置


「スライドルーフ」の土台は、本体の他に積雪による荷重が掛かるため、しっかりとした建物の構造体(柱・梁)の上に固定します。
どんな悪条件でも絶対に漏らさない屋根防水リフォーム工事

屋根の形状は大幅に変更になりますが、雨漏りは絶対に許されません。
マツモトルーフオリジナルの屋根完全防水リフォーム工法「エムエコルーフシステム」で、屋根を全面リフォームします。
【関連記事】
【気象庁データで判明】その雨漏り、温暖化のせいかも?北海道の屋根を守る新常識

スノーダクトの長さや形状も大幅に変更、さらに「スライドルーフ」の設置で屋根上に上がる機会も増えると予測して、構造用合板12ミリで屋根木製下地の「補強工事」も同時に行っています。

屋根防水下地の完成

高耐久・高品質のサンタックIB製「塩ビシート防水」を施工

外周の立ち上がり・笠木部分も外断熱処理


「スライドルーフ」土台のシート防水施工
自社工場にて鉄骨フレーム製作

工場では自社設計のスライドルーフ本体の製作を行います。

当社では鉄骨造の屋根も得意としておりますので、溶接などの鉄骨加工も行えます。
積雪荷重に耐えうる強度の角パイプやL型アングルで組み上げていきます。可動部があるため、ミリ単位の狂いが、現場での「動かない」トラブルに直結するため、緊張感のある作業です。

「スライドルーフ」骨組みの完成(スライドルーフが開いた状態)

スライドルーフが閉じた状態
「スライドルーフ」に最適な屋根材と外壁材を選択(板金仕上げ)
「スライドルーフ」の屋根材と外壁材には、高耐久で軽量なガルバリウム鋼板を選択。

外壁材は軽量で強度がある「4山の角形スパンドレル」を採用。ボルトレスで意匠性もよく、水返しの付いた「雨漏り」にも強い材料を選択。

屋根は軽量で積雪荷重を受け止める折板(ルーフデッキ)を使用。
出来る限りの軽量化と頑丈さ、両方を計算して設計しています。

軽量で強度の高い仕上げ材のガルバリウム鋼板「ルーフデッキ」厚さ0.8ミリを採用

当社オリジナルの「スライドルーフ」が完成。
駆動方式は、あえて電動ではなく「手動」を選択しました。 これは、厳冬期の機械トラブルを回避し、「シンプルに壊れない」構造にするためです。
手動で動かす以上、「スムーズさ」と「軽量化」は必須条件でした。 雪に耐える「強度」と、人の手で軽く動かせる「軽さ」。 この相反する課題を設計段階から試行錯誤して、総重量を計画通り300kg以下に抑えることに成功しました。
300kgの「スライドルーフ」を現場へ。緊張の搬入作業
いよいよ、工場で作った「動く屋根」を現場へ運びます。

工場でのトラックへの積み込み作業

札幌市内の現場に運搬


トラックの「6段クレーン」で慎重に吊り上げ、屋根の上へ設置。

防水工事が終わっている土台の上に、ピンポイントで着地。

事前に固定用アングルには穴を開け、「六角コーチスクリュー」でしっかりと固定。
スライドルーフは構造上、下部に隙間ができるため、強風時の『吹き上げ』の影響を強く受けます。 そのため、木材に対する『引抜耐力』を事前に計算し、台風が来てもビクともしない強度を確保しています。
完成・ディテール紹介
無事に設置完了。動作確認も良好です。


設置後に可動状況などを念入りにチェック。

開閉時の屋根防水とのクリアランスなども確認。

屋根は「防水工事」、スライドルーフは「板金工事」、両方の技術を組み合わせた当社得意の「ハイブリッド工法」です。

建物正面側は意匠性を意識してスッキリとモダンな感じで仕上げています。

「スライドルーフ」の内部です。外壁は軽量化のため鉄骨直貼り、屋根は結露防止の「ペフ(断熱材)付き」で仕上げています。
こだわり抜いた「雨仕舞い」
今回の工事で最も試行錯誤したのが、スライドルーフ中央の屋根と外壁の接合部分です。
スライドするということは、隙間があるということ。 しかし、雨や雪はシャットアウトしなければなりません。 独自に考案した「水返し」の形状や、パッキンの構造により、どんな暴風雨でも室内への浸水を防ぐ構造になっています。

「スライドルーフ」を閉じた状態。
詳しくは企業秘密ですが、水返しや雨仕舞いなど「建築板金の技術」を最大限活かした工法です。

全閉にしてしまえば、ここが動くなんて誰も気づかないほどの気密性と静寂性が保たれています。
長期間使用しない場合や台風対策として、固定金具や四隅を「ターンバックル」にてしっかり固定出来るように設計しています。

全閉時には、パッキン類が密着し雨風を完全にシャットアウトします。

天体観測をしない通常時は、普通の屋根として機能します。

「スライドルーフ」の屋根周りは大幅に形状変更していますが、雨水がしっかりと流れるような屋根形状に仕上げています。
【施工前】◀︎○▶︎【施工後】(スライダーで左右に操作可能)
Before / After
最後に、施工前後の変化をご覧ください。
自宅にいながら満天の星空を独り占めできる。 男のロマンが詰まった空間が完成しました。
【動画で見る】スライドルーフができるまで|設計〜設置の全記録
よくある質問(FAQ)|スライドルーフ(可動式屋根)
Q. 北海道(札幌)の積雪でもスライドルーフは実現できる?(設計条件は?)
A. 実現できます。
ただし雪国は「動けばOK」ではありません。積雪荷重・凍結・落雪動線・風(吹き上げ)・雨漏り(すが漏れ)まで含めて、最初から“雪国仕様”で設計するのが前提です。ここを甘く見ると後で必ずツケが来ます。
最低限、当社ではこれを整理してから設計に入ります。
- どの屋根形状か(無落雪スノーダクト/勾配屋根など)
- 開口サイズ(=屋根の弱点になる範囲)
- 下地の構造(梁・小屋組・補強の要否)
- 排水経路(スノーダクト・ドレンの位置、詰まり対策)
- 可動部に雪が溜まる条件(風向・吹きだまり)
当社は雪国での屋根工事が本業です。だからこそ、「雨漏りしないこと」最優先で設計・施工します。まずは“漏れない・壊れない・使える”が優先順位です。
Q. 屋根上に開口する場合、雨漏りリスクはどう潰す?(スノーダクト貫通時の考え方)
A. いちばん重要なのは、開口部周りの雨仕舞いを“板金頼み”にしないことです。
特に無落雪スノーダクト屋根は、雨水が集中しやすく、開口部周辺は構造上どうしても弱点になりやすく、雨漏り(すが漏れ)のリスクが高い箇所です。
当社では、開口部まわりを
- 完全防水(シート防水など)で連続させる設計
- 立上り・端部処理・取り合いの納まり最優先で設計
- 排水(ドレン・スノーダクト)側の挙動まで想定して施工
という考え方で、「屋根の弱点を作らない」方向でリスクを潰します。
(※屋根形状や既存状況で最適解が変わるので、現地確認してから安全側で決めます)
Q. 手動/電動は可能?凍結対策は?
A. どちらも可能です。
ただ、北海道(札幌)では電動化の前に、凍結・着雪で“動かなくなる条件”を消す設計が先です。
- 手動:構造がシンプルで壊れにくい(雪条件によっては重くなるので、軽量化設計が重要)
- 電動:操作性は良いが、凍結・積雪時の安全設計(停止位置・過負荷保護・点検頻度)が超重要です
凍結対策としては、レールや可動部に雪が溜まらない納まり、排水の考え方、素材選定、クリアランス(逃げ)確保など、“凍る前提”で設計します。
当社としては、軽量化しつつ強度を確保した「シンプルな手動方式」推奨です。
また、大型のスライドルーフ(重量・開口が大きいもの)は対応できない場合があります。
安全性・耐久性・運用性の観点で、雪国はサイズが大きいほどリスクが上昇します。まずはサイズ・屋根形状・搬入条件を現地で確認し、現実的に“長く使える仕様”で提案します。
Q. 風で飛ばない?(吹き上げ・固定方法)
A. 風(台風)対策はとても重要です。
札幌市近郊でも強風で屋根が“吹き上げられる力”は普通に効きます。特に軽量な屋根ほど、引抜力が効いてきます。
当社では、
- 強風時の吹き上げを想定した固定金物(例:ターンバックル等)を設置
- 屋根の「閉鎖時」に確実に固定される構造
- 屋根全体の剛性・変形の考慮
を前提に、「閉めたら固定される」=安全側の設計にします。
(※設置条件・サイズ・建物高さで風条件が変わるため、現地条件で安全側に設計します)
Q. 施工期間と検討フロー(現地調査→構造確認→設計→製作→施工)
A. 目安は以下の流れです(案件により前後します)。
- 現地調査(屋根形状・排水・周辺条件の確認)
- 構造確認(梁位置、補強の要否、開口サイズの妥当性)
- 設計・納まり検討(雨仕舞い、固定、可動部の設計)
- 製作(鉄骨・板金など。工場製作できる部分は先に作ります)
- 施工(開口→防水→取付→調整→仕上げ)
「屋根に穴を開ける」工事なので、当社では特に 雨仕舞いの検討と段取りに時間を使います。
ここを雑にやると、後から取り返しがつきません。
Q. 費用感はどのくらい?(「都度見積」でも“変動要因”だけ書くと検索に強い)
A. スライドルーフは規格品工事ではないため、基本は都度見積になります。
ただし費用が動くポイントははっきりしています。
- 開口サイズ(大きいほど構造補強・製作が増える)
- 屋根形状(スノーダクト等、雨仕舞い難易度で変動)
- 既存屋根の状態(劣化、過去の補修歴)
- 施工場所の条件(足場、搬入経路、揚重の難易度)
- 手動/電動、固定方法、仕様(可動部の設計・部材)
- 仕上げ(板金仕上げ、断熱、内装との取り合い)
「できる/できない」だけでも判断材料になります。まずは現地条件を見て、安全側の仕様で提案します。
Q. メンテナンス(パッキン・可動部・塗装)と注意点
A. 可動部がある以上、定期点検と清掃は大切です。
特に北海道の無落雪屋根は、年に1〜2回のスノーダクトの清掃がおすすめです。
- 可動レール/ローラー周辺の清掃(雪解け後に確認)
- 固定金物の緩み・サビの点検
- シーリング・端部の状態確認(口開き・劣化)
- 塗装部の劣化(必要に応じて補修)
当社としては、「雪解け後に年1回、軽く点検」をおすすめしています。
(運用状況・設置条件によって点検ポイントは変わります。気になる場合は点検も相談ください)
Q. 既製品設置と、オーダー製作の違いは?
A. 最大の違いは「屋根の条件に合わせて、雨仕舞いと強度を最適化できるか」です。
既製品はコストと納期のメリットがある一方、雪国の屋根(特に無落雪スノーダクト)では、取り合いが難しくなるケースがあります。
オーダー製作の場合は、
- 屋根形状・排水・風条件に合わせた設計
- 開口部の雨仕舞いを最優先にした納まり
- 搬入条件や現場条件に合わせた製作・施工
が可能になります。
当社では雪国の屋根防水を前提に、「長期的に安心して使える仕様」を軸に提案します。
当社はどんな屋根の問題も解決します
他社で断られた難しい屋根、こだわりのある屋根。 「屋根に本気」のマツモトルーフなら、解決策をご提案できるかもしれません。
札幌近郊で屋根のことなら、どんなことでもご相談ください。
お客様の夢を叶えるためには、既製品の部材を組み合わせるだけでは不可能です。
「できない理由を探すより、どうやったら作れるかを考える」 それがマツモトルーフの流儀です。
- 他社で「構造的に難しい」と言われた
- 特殊な形状の屋根で断られた
- とにかく技術のある職人に任せたい
そんな時は、ぜひマツモトルーフを思い出してください。 天体観測ドームを作ることに比べれば、大抵の屋根トラブルは解決可能です。
「屋根のことなら、なんでもやる」 その言葉に嘘偽りない技術で、あなたのお家を守ります。
屋根の問題は全て解決します。
ハウスメーカーや構造は問いません。
全ての屋根修理が可能な札幌市の屋根専門業者です。
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