
【札幌市の屋根専門業者】株式会社マツモトルーフ代表の松本です。
(筆者のプロフィール・会社概要はこちらから)
メーカーの定期点検で「屋根防水が劣化しています。防水リフォームをおすすめします」と言われた。でも、雨漏りは今のところ無い——。
この相談、実はかなり多いです。結論から言うと、“漏れてない=問題なし”ではありません。
防水シートは、ギリギリまで保っていても、限界を超えた瞬間に亀裂が入り、突然雨漏りすることが珍しくないからです。

この記事では、セキスイハイム(積水ハウス)でよくある
「点検で劣化指摘されたけど、工事すべきか迷う」ケースについて、
- 点検で見ている「劣化サイン」の読み方
- まだ待てるケース/先にやるべきケース
- 実際に行った予防更新の施工内容(弱点の潰し方)
を、写真付きの施工例ベースで分かりやすくまとめます。
この記事はこんな方へ
- メーカー定期点検で「防水が劣化」と言われたが、雨漏りは無い
- 工事を勧められたけど、本当に必要か判断できない
- 予防でやるなら「どこまでやるべきか」を知りたい
- 部分補修で済むのか、全面更新が必要なのか迷っている
今回のご相談:メーカー定期点検で劣化指摘(雨漏りなし)
今回のケースは、メーカーの定期点検で防水の劣化を指摘され、雨漏りは無いが防水リフォームを勧められたことがきっかけでした。
この段階で多い不安は、だいたい2つです。
- 「漏れてないのに工事って必要?」
- 「点検で言われたけど、まだ様子見でもいい?」
ここで大事なのは、点検の指摘を“否定する”ことではなく、
点検写真と現地状況から“危険度”を整理して判断することです。
なぜ「雨漏り無し」でも勧められるのか(防水は“ある日突然”が多い)
屋根防水は、壁のようにジワジワ目に見えて壊れるというより、
雨・紫外線・熱伸縮・積雪環境などの負担が積み重なって、ある日限界を超えることがあります。
そして厄介なのは、
雨漏りが始まってから気づくと、
- 屋根の下地となる木材(鉄骨造はALC板)や断熱材まで傷む
- 水が回って原因箇所が分かりにくくなる
- 工事範囲が広がりやすい(費用も増えやすい)
という流れになりがちな点です。
だからこそ「雨漏り前の予防更新」は、ケースによっては合理的です。
ただし、全部の家が今すぐ必要というわけでもありません。大事なのは点検写真と現地状況から「危険度」を整理して判断することです。
⚠️ セキスイ系で多い「軽量鉄骨+ALC下地」の屋根は、雨漏りが出たら特に注意です。
ALC(軽量気泡コンクリート)は吸水性がある材料なので、屋根や外壁など外部に面する部分は「防水性の高い仕上げ」が前提になります。
つまり一度水が回り始めると、下地側まで影響が出て工事が大きくなりやすい。だから当社では、雨漏りが出てから慌てるより、点検で劣化サインが出た段階で弱点(ドレン・取り合い・貫通部)を整理して潰すほうが合理的だと考えています。
参考:ALC協会 Q&A(ALCは吸水性があるため外部は防水性の高い仕上げが前提)
現地確認で見えた「劣化サイン」3つ(判断材料)
今回の現地確認では、いくつかの“劣化サイン”が確認できました。
1)補修跡(増し貼り)がある
過去の補修跡が見える場合は、そこが
動き・割れ・水の通り道になりやすいポイントになっていることがあります。

補修自体が悪いわけではありませんが、補修が増えてきた=経年劣化で限界が近い状態と言えます。

2)防水シートの膨れ(浮き)
シート防水で膨れがある場合には、将来的に亀裂・破れの起点となりやすいです。

膨れがすぐ雨漏りに直結するわけではありませんが、
「まだ漏れてないけど、次が怖い」状態の代表例です。

特に「積水ハウス」の「外断熱工法」で、入隅箇所の浮きが目立つ場合は、早急に修理することをお勧め致します。
塩ビ系の防水シートは、柔らかさを保つために可塑剤が配合されています。
ところが経年で可塑剤が少しずつ移行・揮散すると、シートが硬くなり、寸法が安定しにくく(収縮方向に働きやすく)なります。
その結果、固定されている端部や立上り・貫通部で“引っ張り応力”が集中し、亀裂や不具合の原因になることがあります。
補足(根拠リンク)
可塑剤移行(相互移行)と「絶縁(移行防止シート)」の考え方:
3)アンテナ架台や手すり金物の腐食(サビ)
アンテナ架台や手すり金物が劣化している場合、固定部・貫通部・取り合いが弱点になりやすいです。屋根の雨漏りは、「広い面」よりも、こういう「弱点の周辺」から始まることが多いので要注意です。

手すり受け金物の腐食

結論:今回「予防更新」が合理的だった理由
今回のケースは、雨漏りは無いものの、
- 補修跡が確認できる
- 膨れ(浮き)がある
- 金物劣化が進んでいる(弱点になりやすい)
という状況でした。
この状態で「さらに数年様子見」をすると、
漏れた時に下地まで傷んで工事が大きくなるリスクが上がります。
そのため今回は、
“雨漏りが起きる前に、弱点を潰して防水を更新する”方針を取りました。
まだ待てる?先にやるべき?(簡易チェックリスト)
以下に当てはまるほど、予防更新の優先度が上がります。
- 補修跡(増し貼り)が複数ある/年々増えている
- 膨れ・浮き・シワ・割れが目立つ
- ドレン(排水口)周辺に汚れ・詰まり・水たまり跡がある
- 金物(架台・手すり等)のサビが進行している
- 立上り・取り合いに“無理な納まり”やコーキング跡が見える
逆に、劣化サインが軽微で、弱点が少ない場合は、
点検頻度を上げて“計画的に更新でもOKなこともあります。
次に読むと、判断が一気に早くなります
【工事内容】弱点を潰して、防水のリフォーム工事(2階屋根+玄関屋根)
ここからは、今回実施した工事手順を紹介します。
1)下地調整 → 絶縁シート(緩衝材)敷設
まずは既存防水の下地調整から工事を進めます。

腐食したアンテナ架台の解体

既存防水シート清掃後に絶縁シート(緩衝材)の敷設
2)ディスク固定で強度を確保(ALC下地の留付)
今回の工事でのポイントの一つが、ディスク固定(機械固定)です。
ALC下地の場合、穴あけ → 樹脂(エポキシ等) → アンカー → ディスク留付という手順で、引抜き強度を確保します。雪国の屋根は風・温度差・積雪で負担が大きいので、固定の考え方がとても重要です。

アンカードリルで屋根下地となるALC板の穴あけ作業。
仕様によりALC板の厚みも異なるため、適切な深さで作業する必要があります。

エポキシ樹脂の注入。ALC板に直接ビス留めしても引き抜き強度が確保できないため、ビス周りを固めて強度を確保する必要があります。

エポキシ樹脂は、当社が正規代理店を務めます大手防水メーカー「早川ゴム製」の2液性を使用しています。(※エポキシ樹脂とは主剤と硬化剤を混ぜることで化学反応により硬化する樹脂)

更にビスを強固に固定するためのアンカープラグの取り付け。

防水シートを部分的に固定するための「ディスク盤」の留め付け作業。
3)外周押さえ鋼板・集水レーンの施工

セキスイハイムの住宅はユニット構造のため、特殊な部材が多数使用されており、一般的には「専用部材はメーカー以外は手に入らない」と言われておりますが、当社では板金工事の技術力を活かして、自社工場にて全ての部材を現場に合わせた最適な形状で製作可能です。

外周の特注加工の「塩ビ積層鋼板」の取り付け。
先打ちコーキング処理で、端部からの吹き込み防止処理も同時に行います。

排水ドレン周りに「塩ビ積層鋼板」の水受けを取り付け。
四方を折り曲げて立ち上げる加工が必要ですが、問題なく加工・取り付け可能です。

屋根中央部の集水レーンの新規取り付け。
こちらも工場で事前に加工済みの部材で、現地で取り付けします。

防水下地の完成です。
3)繊維入り防水シートを採用し【溶着】で溶かして一体化

【使用防水材】サンタックIB製 高耐久繊維入り防水シート

防水シートの敷設

排水ドレンも「サンタックIB製」の改修用ドレン(100φ用)を使用。
防水シートと同質の塩ビ製で、熱溶着で溶かして一体化します。
5)アンテナ架台の交換

アンテナ架台の交換作業です。
こちらも「サンタックIB製」の「基礎架台」を使用。固定方法はエポキシ樹脂とアンカープラグを併用して強固に固定しています。

仕上げには専用の成形パッチを熱溶着して、防水層と一体化が可能な製品です。“コーキング頼み”にしないのが屋根を長持ちさせるポイントです。

IH式融着機で先打ちしたディスク盤と防水シートを固定(一体化)。

熱風機にて最終チェックを行い本屋(2階屋根)の工事が完了です。
6)玄関屋根:外壁取り合い役物の解体 → 納め → 内部コーキング → 復旧
玄関屋根など、外壁との取り合いが絡む部分は、
役物を一度解体して、納まりを作り直し、内部処理を入れて復旧します。

既存の役物を一旦解体して玄関屋根の作業を進めます。

防水下地の完成

外壁取り合い部分の防水シート立ち上げ処理

防水立ち上がりと外壁の取り合いには、吹き込み防止のコーキング処理を行います。

既存役物の復旧作業。
仕上がりの見た目は工事前と変わりませんが、内部の処理はしっかりと行なっており、防水性能は格段に上がっています。
ビフォーアフター(写真)
2階屋根:全景
アンテナ架台まわり
ドレンまわり
玄関屋根
【工事完了】ビフォー・アフター ◀︎○▶︎スライダーで操作可能
2階屋根:全景
アンテナ架台まわり
ドレンまわり
玄関屋根
【施工完了後 動画】
よくある質問(点検→判断で多い)
Q. メーカー提案は断っていい?
断っていい/悪いではなく、提案の根拠(写真・劣化状況)を確認し、必要なら第三者で現地確認が安心です。
メーカーの提案が正しいケースもあれば、「まだ計画更新で良い」ケースもあります。
Q. 部分補修で済む?全面更新が必要?
築年数が15年以下で、劣化が局所なら部分補修も有効ですが、補修跡が増えている/膨れが広い/弱点が複数ある場合は、屋根防水全面リフォームのほうが結果的に安心なことが多いです。
Q. 費用や工期は何で変わる?
主に以下で変わります。
- ドレンや取り合い、手すりや昇降用タラップなど貫通部の数
- 下地状態(補修の必要量)
- 屋根の形状・面積・段差
- 架台・役物など金物の数量など
同じような悩みの方へ
メーカー点検で劣化指摘された場合、写真があれば「危険度の目安」を当社でアドバイス可能です。点検写真(全景・膨れ・補修跡・ドレン・取り合い・金物)を送っていただければ、
「今すぐ必要か/計画更新で良いか」の目安をお伝えします。
※営業目的ではなく、判断材料の整理としてご活用ください。
まとめ
雨漏りが無い段階での防水リフォームは、煽られてやる工事ではなく、条件が揃えば合理的な予防処置です。大事なのは、点検で何を指摘され、現地でどんな劣化サインが出ているかを整理して「まだ待てる」か「先にやるべき」かを判断すること。
必要でしたら点検写真をもとに一緒に整理できますので、是非ご相談ください。
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